野村万作師、日本芸術院会員に

日本芸術院は2022年2月22日に、芸術上の功績顕著な芸術家9名を新会員候補者として決定し、能楽界から狂言方和泉流の野村万作師(90歳)が選ばれた。

推薦理由として、「氏は、人間国宝六世野村万蔵の次男として昭和6年に生まれた。3歳で初舞台を踏み、昭和25年に二世万作を襲名し、以後芸術祭大賞・日本芸術院賞・紫綬褒章・朝日賞など内外数々の賞を受けている。平成19年に重要無形文化財(各個認定)、同24年旭日小綬章受勲、同27年には文化功労者に認定されている。昭和31年「釣狐」を、同35年「花子」を、同61年には「狸腹鼓」をそれぞれ披き、以後今日に至るまで再演を重ねている。子息の萬斎や孫の裕基を始めとする一門の会「万作の会」の活動や「万作を観る会」「狂言ござる乃座」などの舞台を通じて伝統芸能の普及と振興というにとどまらない、多岐にわたる多彩な活躍には目を見張るものがあり、後進の育成や指導にも顕著な成果をあげている。現在の狂言界を代表する一人である」と発表されている。

日本芸術院会員は、すでに会員の梅若実、亀井忠雄、友枝昭世、野村萬、山本東次郎の各師(五十音順)と合わせ、能楽界で6名となった。