曲の解釈と謡い方【一、脇能】(9)

竜神その他〔舞働〕の類(2) ―春日龍神― この曲は、春日明神が明恵上人(みょうえしょうにん)の入唐渡天(にっとうとてん)を押し止めるというだけのことで、前シテは明神の命によって時風秀行(ときふうひでゆき)が化身した宮守… 続きを読む 曲の解釈と謡い方【一、脇能】(9)

曲の解釈と謡い方【一、脇能】(8)

竜神その他〔舞働〕の類 ―〈竹生島〉〈春日竜神〉〈賀茂〉〈嵐山〉〈玉井〉―(和布刈、九世戸、江野島、逆矛、氷室、金札、岩船) この種に属する神は、竜神とか雷神といった怪異な面貌(めんぼう)を持ち、舞ではなく〔舞働まいばた… 続きを読む 曲の解釈と謡い方【一、脇能】(8)

曲の解釈と謡い方【一、脇能】(7)

悪尉(あくじょう)その他楽の類 ―〈鶴亀〉―(白鬚、大社、寝覚、東方朔、道明寺、輪蔵) 〔楽(がく)〕は本来後述の遊楽ゆうがく物でまわれる舞であるが、これを脇能に持ってきて、悪尉の面に鳥兜(とりかぶと)、袷狩衣に半切(は… 続きを読む 曲の解釈と謡い方【一、脇能】(7)

曲の解釈と謡い方【一、脇能】(6)

〔真ノ序ノ舞〕その他老神の類(2) ―白楽天― 構想も構成も極めて特殊な曲である。唐の詩人白楽天(はくらくてん)(ワキ)が日本の智慧(ちえ)を計るためにやって来たが、住吉明神の化身たる漁翁(前シテ)が漢詩と和歌との問答を… 続きを読む 曲の解釈と謡い方【一、脇能】(6)

曲の解釈と謡い方【一、脇能】(5)

〔真ノ序ノ舞〕その他老神の類 ―〈老松〉〈白楽天〉〈雨月〉〈蟻通〉―(放生川) 〔真ノ序ノ舞〕の曲は〔神舞〕の曲と相並んだ本格的な脇能といってよいが、その曲趣はほとんど対蹠たいしょ的である。むろん神能の通有性ともいうべき… 続きを読む 曲の解釈と謡い方【一、脇能】(5)

曲の解釈と謡い方【一、脇能】(4)

―養老― 親孝行の徳によって甘美な泉の水を授けられたという養老の滝に取材し、この滝の実地検分に来た勅使(ちょくし)の前に山神が現われて舞を奏し、泰平(たいへい)の御代(みよ)を讃(たた)えるというのだから、どこか詩趣をお… 続きを読む 曲の解釈と謡い方【一、脇能】(4)

曲の解釈と謡い方【一、脇能】(3)

神舞の類 ―高砂― かようにこの曲は神能としては珍らしい詩趣があるが、曲趣の核心はむろんそこに発せられる瑞気と神々しさにある。そうした趣を表現するには、謡も決して重っくれず、しかもまた軽々しくなく、爽やかに雄健(ゆうけん… 続きを読む 曲の解釈と謡い方【一、脇能】(3)

曲の解釈と謡い方【一、脇能】(2)

神舞の類 脇能の中でも最もその気分の充実したものは神舞を舞う曲である。神舞は元気いっぱいに颯爽(さっそう)と舞う舞であって、テンポが非常に速く、いわば一気に舞い切るといった趣のものである。この舞の趣がそのまま全体の曲趣と… 続きを読む 曲の解釈と謡い方【一、脇能】(2)

曲の解釈と謡い方【一、脇能】(1)

※本文中、読みやすいよう適宜ルビをつけ、漢字を改めた。(編集部) 全部の曲を九種目に分けて、順にこれを述べるとまず最初は脇能(わきのう)すなわち一番目物である。神を描いた曲は他にもあるが、純粋の一番目以外の曲は脇能ではな… 続きを読む 曲の解釈と謡い方【一、脇能】(1)

謡の参考書ベストセラーの著者、三宅秔一について

連載にあたって 今回、Webマガジン立ち上げにあたり、絶版になっている『謡い方百五十番』(うち、曲別細説)を「曲の解釈と謡い方」として連載する。そのきっかけは、近年、「細かい節付(ふしづけ)の説明ではなく、曲全体の謡い方… 続きを読む 謡の参考書ベストセラーの著者、三宅秔一について