大鼓方葛野(かどの)流、亀井忠雄(かめい ただお)師が2023年6月3日に逝去された。享年81。
亀井師は1941年、大鼓方葛野流亀井俊雄(人間国宝)の次男として東京に生まれる。父および川崎九淵、吉見嘉樹に師事。1949年に初舞台。
2002年、重要無形文化財保持者(各個認定。人間国宝)に認定され、2019年、日本芸術院賞・恩賜賞受賞、同年に日本芸術院会員。2004年に紫綬褒章、2012年に旭日小綬章を受章。著書に『能楽囃子方五十年 亀井忠雄聞き書き』(聞き手 土屋恵一郎・山中玲子。岩波書店)がある。
大鼓方葛野流は明治期より、川崎九淵、吉見嘉樹、亀井俊雄、瀬尾乃武、亀井忠雄師と、宗家預かり繋いできたが、2012年、宗家会で承認され、亀井忠雄師が大鼓方葛野流家元となった。その後、2016年に長男の広忠師に家元を継承した。
長男に広忠師、兄に俊一師(小鼓方幸流)、弟に保雄師(シテ方宝生流)、実師(大鼓方葛野流)がいる。また、妻は歌舞伎の田中佐太郎師、次男は田中傳左衛門師、三男は田中傳次郞師。
通夜は6月7日18時、告別式は8日11時に護国寺桂昌殿で執り行われる。喪主は広忠師。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。 合掌