三井記念美術館 「国宝 雪松図と能面×能の意匠」展 開催中

東京日本橋の三井記念美術館では、毎年、年末年始に国宝「雪松図屏風」(円山応挙筆、江戸時代)が展示される。今回は同館所蔵の能面、能装束などがあわせて展示され、能面の表情、装束の美しいデザインを目の当たりにすることができる。また、特集展示として能面作家の橋岡一路氏より同館が寄贈を受けた能面が紹介される。

同館所蔵の能面はほとんどが旧金剛宗家伝来の名品で、今回はそのうち、32面(いずれも重要文化財)を展示室1、2、5で展示。これだけの数の能面を一度に見る機会はなかなかなく、大変貴重である。

展示室1~2は、能面の豊かな表情に注目。演者の型(所作)によって、能面は様々に変化して見えるが、「翁(白式尉)」(伝春日作、室町~桃山時代)、「中将(鼻まがり)」(伝福来作、室町時代)や「孫次郎(ヲモカゲ)」(伝孫次郎作、室町時代)の、皺や左右非対称の造形などが、特にその表情を豊かにする。

展示室5では、能面の目と口に焦点を当てる。「小面(花の小面)」(伝龍右衛門作、室町時代)では目に着目し、キャプションには目元をアップにした写真も添えられていてよくわかる。

重要文化財 孫次郎(ヲモカゲ)伝孫次郎作
室町時代・14~16世紀 三井記念美術館蔵

展示室4では、正面のケースに眼目の「雪松図屏風」、左右に能装束15領が展示されて壮観である。主に明治・大正時代、三井家の人々が実際に使っていたと伝わる唐織、厚板、縫箔などの数々。動植物や幾何学などの美しい文様を詳細に見ることができる。

国宝 雪松図屏風 円山応挙筆 江戸時代・18世紀 三井記念美術館蔵(左隻)
国宝 雪松図屏風 円山応挙筆 江戸時代・18世紀 三井記念美術館蔵(右隻)

展示室3は能に由来した茶道具、展示室6(展示室5の一部)では楽器(能管、小鼓胴、大鼓胴、太鼓胴)を展示。

展示室7では、能面作家の橋岡一路氏(1931年~2023年)が同館へ110面の能面を寄贈したことを受け、特集展示「新寄贈能面」が行われている。橋岡氏作の能面(22面)と氏旧蔵の3面が展示され、中には展示室2の「孫次郎(ヲモカゲ)」の写しもあり、両者を見比べることができる。

会期:開催中~令和6年1月27日(土)まで

休館日:月曜日(但し1/8は開館、12/25~1/3、1/9は閉館)

開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)

入館料:一般1,000円、大学・高校生500円、中学生以下無料

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応募締切は12月25日(月)まで。