OTABISHO 横浜能楽堂 がオープン

現在改修工事のため閉館している横浜能楽堂は、改修中の拠点となる能・狂言の紹介施設「OTABISHO(おたびしょ)横浜能楽堂」を、横浜ランドマークプラザ5階に、4月18日よりオープンした。

これに先立ち、4月14日にはオープニングパフォーマンスがランドマークプラザ1階サカタのタネガーデンスクエアで開催され、茂山千之丞師、野村万之丞師による三番三/三番叟が披露された。

オープニングパフォーマンス当日は、桜木町駅前よりランドマークプラザまで、郷土芸能(土師流郷神楽・生麦囃子保存会・牛込獅子保存会)によるお練りとパフォーマンスも行われ、多くの買い物客や観光客が立ち止まって写真を撮っていた。

お練りがサカタのタネガーデンスクエアに到着すると、まもなく三番三/三番叟が始まった。ガーデンスクエアの空間に調和した鏡板、その左右に設けられた揚げ幕から、三番三と三番叟が登場。吹き抜けの空間には、掛け声と囃子の音色が響きわたった。特設舞台周辺の観覧エリアには、開始前から多くの観客が集まり、躍動感のある二人の三番三/三番叟を熱心に見守っていた。

OTABISHO横浜能楽堂は、「見る・知る・体験する・学ぶ」をコンセプトに、能・狂言を紹介するギャラリー(展示ディレクター:矢内原充志)。能装束(製作:山口能装束研究所、2ヶ月に一度、展示替えされる予定)や、能面(製作:岩崎久人、毎月展示替えあり)の展示のほか、能・狂言の歴史をわかりやすく図解したパネルや、主な演目の写真パネル、楽器なども展示。

そのほか、横浜能楽堂の舞台を再現した模型(製作:井上仁行)や、〈道成寺〉の鐘を模した約1/2サイズの鐘の下で、いわゆる「鐘入り」の記念撮影もできる。

能・狂言の書籍を置いたライブラリーが併設され、グッズ販売も行っている。

●アクセス:横浜市西区みなとみらい二丁目2番1号 ランドマークプラザ5階。桜木町駅(JR・市営地下鉄)から動く歩道で徒歩5分、みなとみらい駅(みなとみらい線)から徒歩3分。
●営業時間;11時〜20時 年中無休 入場無料 予約不要

なお、5月16日(木)にはランドマークホールで「ランドマーク狂言」(ミニレクチャー/野村万之丞、「蝸牛」野村万蔵、河野佑紀、野村拳之介)が行われる。詳しくはこちら

能・狂言関連書籍のライブラリーもあり、気軽に立ち寄れる

透明の展示パネルのうしろに立って、能面をかけたように写真撮影ができるスポット

鐘の下で、道成寺のシテになりきっての撮影もOK

OTABISHOというネーミングにこめた意味
御旅所(おたびしょ)とは、神社の祭礼において神が人々と交流するために、本殿から御出(おい)でになる場所のこと。神に捧げる芸能としての起源を持つ能楽。横浜能楽堂のある紅葉坂をまっすぐ下りると辿りつくランドマークプラザ。そこでの活動を御旅所になぞらえました。「OTABISHO」とアルファベット表記とすることで、街に合った場所づくりをするとともに、海外からの来訪者にも親しんでいただきたいと願っています。(横浜能楽堂HPより