曲の解釈と謡い方【三、三番目物】(2)

この他なお初心的な誤りを一、二指摘すると、女性の曲だからといって作為的(さくいてき)に声を弱めたりする人があるが、これは謡技術の根本を誤っているのだから問題にならないが、若い女は調子を高くとると速断するのも幼稚な考え方である。なるほどツレの女などは調子が高いものだが、三番目物のシテのごとき女性は、むしろ調子を抑えて謡わないと、位もしっかりとれないし、幽玄の趣致(しゅち)にも添わない。

三番目物の曲数は前編で述べた略三番目の曲の中から三番目に移籍させる曲を合わせると、およそ五十番ほどある。そこで細別の問題であるが、これを人物で分けると、まず大多数を占めるのは女性の曲(天人(てんにん)、物の(せい)を含む)であって、大部分は夢幻(むげん)人であるが、現在人も若干ある。その他では、男性(物の精を含む)の夢幻人、女神(めがみ)、狂乱的な女性、老女(ろうじょ)といったものがある。それでは舞の種別はどうかというと、〔序ノ舞(じょのまい)〕が過半数であるが、ほかに〔中ノ舞(ちゅうのまい)〕、〔神楽(かぐら)〕、〔(がく)〕、〔(かけり)〕がある。そうした人物と舞の種別の両面を(にら)み合わせて、私は三番目物を以下述べる七種(①〜⑦)に分けることとしている。