【速報・受賞】第43回観世寿夫記念法政大学能楽賞に、松岡心平氏、野村萬斎師、第31回催花賞に、三宅右近師と日本ろう者劇団

観世寿夫記念法政大学能楽賞 受賞者

松岡心平(まつおか しんぺい)氏

贈呈理由:氏は多年にわたり能楽の研究・普及の両面において活躍し、多くの後進も育ててきた。特に、本年刊行の『観世文庫所蔵能楽資料解題目録』は、氏が観世宗家の理解と協力を得、多数の研究者をとりまとめて牽引したプロジェクトの大きな成果であり、今後の能楽および能楽研究の発展にとって極めて高い意義を有するものである。

野村萬斎(のむら まんさい)氏

贈呈理由:氏は狂言役者としての確かな技術と傑出したセンスにより、20年に及ぶ世田谷パブリックシアター芸術監督としての仕事をはじめ、能舞台の内外で数々の新しい試みを成功させてきた。その活躍ぶりは、能楽の存在を外の世界に知らしめる大きな力となっている。また、こうした幅広い活動が「万作の会」「ござる乃座」等での優れた企画と上演に還元されている点も、高く評価される。

催花賞 受賞者

三宅右近(みやけ うこん)氏と日本ろう者劇団

贈呈理由:設立から40年を迎える「日本ろう者劇団」は、和泉流狂言方の三宅右近氏に指導を受け、日本全国や海外各地で「手話狂言」を演じてきた。現在のレパートリーは70曲を超え、本年9月にはオリパラ能楽祭の演目の一つとしても参加している。手話と同時に狂言方の役者が裏で台詞を言うことで、手話が判る人も判らない人も共に楽しめる上演を続けてきた同劇団の姿勢は、真のダイバーシティをめざすものとして顕彰に値する。