3月13日(日)まで東京国立博物館 表慶館にて、ユネスコ無形文化遺産 特別展「体感!日本の伝統芸能 ─歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊の世界─」が「日本博」及び「日本美を守り伝える『紡ぐプロジェクト』」の一環として開催されている。ユネスコ無形文化遺産に登録された日本を代表する5つの伝統芸能である「歌舞伎・文楽・能楽・雅楽・組踊」の歴史と固有の美、それを支える「わざ」を体感することを意図している。本展は当初2020年3月から開かれる予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となり、今回内容を一部リニューアルして開催されることとなった。
会場の表慶館は明治末期の洋風建築として、重要文化財に指定されている。その1、2階のフロアを、第1章歌舞伎、第2章文楽、第3章能楽、第4章組踊、第5章雅楽という順路でめぐる。
第3章の能楽では、国立能楽堂所蔵の能面9面、能装束7領、小道具類や楽器など、また狂言面2面、狂言装束4領が展示されている。今回の展示で圧倒されるのが、会場に能舞台そのもの(橋掛り、後座、地謡座は除く)が造られ、間近に見られることだ。まさに「体感」である。舞台上に置かれた作り物の船と装束は、3月25、26日に国立能楽堂で初めて復曲上演される〈岩船〉のもので、会場内で上映されている記録映像とあわせると、より臨場感をもって見ることができる。
他の4芸能の展示でも実際に使用する楽器や道具類を間近に見たり、衣裳を着付けた登場人物(人形)が立つ「再現舞台」に上がることができたりと、体感の仕掛けが豊富に用意されている。
開館時間は9時30分~17時(月曜休館)、観覧料は一般1,500円、大学生1,000円、高校生600円、中学生以下無料。※事前予約(日時指定券)が推奨されている。詳細はこちら。