新作能〈媽祖(まそ)〉の公演とクラウドファンディングの実施

 来春4月2日(土)に京都観世会館で催される「新作能〈媽祖〉」のクラウドファンディングが昨日9月9日より開始された。11日現在、目標金額1100万円の70%を越えている。

「媽祖」は、航海や漁業の安全を守る女神で、人生において起こりうる疫病や災害、戦争などあらゆる事象の守り神として中国沿岸やマカオ、シンガポールなど広く東アジア一帯で信仰され、特に台湾では民間に広く、篤く崇められてきた。母の命と引き換えに生まれ、生まれながら声を発せず、黙娘(もくじょう)と呼ばれ、吉凶を告げる時のみ声を発する娘は、28歳の時に天に昇り、神となり人々を見守り続けた。

今回、企画・指揮の片山九郎右衛門師は、20年も前に台湾の知人から、媽祖を能にしてほしいと言われ、自由に海を渡れないこのコロナ禍、人として生まれ、神となった媽祖を通して近隣諸国の人々と心を通わせたいとの思いから企画したという。小説家玉岡かおる氏は、片山師から媽祖の本を書いてもらいたいとの強い要望に応え、原作と台本を書き上げた。

媽祖は中国、宋時代の話として伝わるが、今回玉岡氏は時代を遡り、奈良時代に設定。大伴家持が大宰府に赴く途次、海難に会い、赤い衣を着た媽祖に導かれる。

 出演は、片山九郎右衛門、野村萬斎、宝生欣哉、味方玄、分林道治、茂山逸平、竹市学、吉阪一郎、亀井広忠、前川光範。

会見での片山九郎右衛門師と玉岡かおる氏

 クラウドファンディングにより行われるこの公演は、チケットはリターン(寄付に対する返礼品)に限定し、通常販売はされない。

 実施期間は2021年9/9~11/7。コロナ禍での上演を考慮し、実施日の観客入場制限があった場合はオンライン配信になるチケットやグッズ、謡本、ワークショップなど、様々なリターンが用意されている。

THE KYOTOクラウドファンディングのページ https://the-kyoto.en-jine.com/projects/maso

公式サイト プロモーションビデオhttps://www.maso-project.com/

問合せ・連絡先

公益財団法人片山家能楽・京舞保存財団 新作能〈媽祖 -MASO-〉プロジェクト事務局

TEL 075-551-6535 / FAX 075-532-2841 / E-mail info@maso-project.com