能×歌舞伎「二つの世界の狐」観世三郎太、坂口貴信、中村壱太郎、中村児太郎の各師の公演にかける思い

「伝統芸能フェスティバル 能×歌舞伎『二つの世界の狐』」が、3月27日(日)観世能楽堂で行われる(第一部 11時開演/第二部 15時開演)。公演に先立ち、出演の観世三郎太、坂口貴信、中村壱太郎、中村児太郎の各師が公演にかける思いを語った。

左から、中村壱太郎、坂口貴信、観世三郎太、中村児太郎の各師

観世三郎太師は、舞囃子「小鍛冶 重キ黒頭」を演じる。能「小鍛冶」は、数ある演目の中でも人気曲の一つで、歌舞伎にも取り入れられている。また、観世流では「小鍜冶」の舞囃子での上演はないが、今回の企画にあたり「重キ黒頭」の小書をつけ、獅子の要素が取り入れられる。

歌舞伎界の中村壱太郎、中村児太郎両師とは、初対面という三郎太師は、「歌舞伎界でご活躍のお二人との共演は、同じ伝統芸能に携わる者として大変楽しみにしております。今回の公演で歌舞伎についても勉強させていただきたいですし、自分にとって大変良い経験をさせていただけると感じております」と述べた。

観世三郎太師

壱太郎師とは過去に共演もあり、児太郎師とも同じ公演での出演経験がある坂口貴信師は、半能「殺生石 白頭」を演じる。この曲について、大きな石の作り物が割れて中から現れた霊狐の、機敏な動きや、テンポの良さを楽しんで欲しいと述べ、また、当日は観世宗家所蔵の「狐蛇(きつねじゃ)」の面を使用するという。

中村壱太郎師は、「四季詠所作の花─葛の葉道行」で、祖父・坂田藤十郎が歌舞伎公演でたびたび演じていた葛の葉を演じる。今回は能楽堂での公演ということで義太夫ではなく常磐津で、新しい舞踊作品として演じる。「ぶっ返り」と呼ばれる衣裳替わりの演出も見どころの一つと述べた。

中村児太郎師は、三姫の一つである「本朝廿四孝─狐火之段─」の八重垣姫を演じる。八重垣姫は成駒屋にとって、とても大切な役の一つで、今回演じる機会をいただけて本当に嬉しい思いでいっぱいと述べた。また、児太郎師は坂口貴信師が「道成寺」演じた際に、坂東玉三郎師に勧められて見に行き、大変感動したというエピソードを披露した。

※本公演は観世能楽堂で行われるが、目付柱を取り外しての上演となる。

日時:2022年3月27日(日)

〈第1部〉11時 開演 〈第2部〉15時 開演

会場:観世能楽堂

料金:S席 10,000円 / A席 8,000円 ※全席指定

チケット販売:

観世能楽堂 03-6274-6579(月曜休館) kanze.net

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