訃報:柿原崇志師

(写真提供 公益社団法人 能楽協会)

大鼓方高安流、柿原崇志(かきはら たかし)師が2021年11月17日に脳出血のため逝去された。享年80。葬儀は近親者のみにて執り行われた。

柿原師は1940年、柿原繁蔵の長男として福岡県大牟田市に生まれる。1954年、父に入門、その後、高校卒業すぐに上京して安福春雄に師事。1956年、『船弁慶』で初舞台、以後、『猩々乱』『石橋』『道成寺』などを披く。1972年度芸術選奨新人賞を受賞。その後、『檜垣』『姨捨』『関寺小町』の三老女を披く。2018年、重要無形文化財保持者各個認定(人間国宝)に選ばれる。

観世寿夫記念法政大学能楽賞、恩賜賞・日本芸術院賞などを受賞。能楽協会理事・常務理事、日本能楽会理事・常務理事を歴任。
また、能楽養成会講師、東京藝術大学音楽学部非常勤講師、国立劇場伝統芸能伝承養成「能楽(三役)」研修講師を務めるなど、後進の指導にも熱心だった。著書に『先人よりの覚え書 付・誰にでもすぐ分かる地拍子の手引』(檜書店刊)がある。
長男に弘和師、次男に光博師、孫に孝則師がいる。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。 合掌