訃報:浅見真州師

(写真提供 銕仙会)

シテ方観世流、浅見真州(あさみ まさくに)師が2021年7月13日に逝去された。享年80。葬儀は7月17日に親族のみで執り行われた。
浅見師は1941年、浅見真健の五男として生まれる。父および観世寿夫、八世観世銕之亟に師事。4歳の時に『雲雀山』の子方で初舞台、16歳の時に『敦盛』で初シテ。
師は復曲・新作・実験的上演にも積極的に取り組み、復曲『重衡』、『鐘巻』(『道成寺』の原曲)、『常陸帯』、『綾鼓』ほかを上演。喜多流の友枝昭世師との復曲『舞車』は異流競演の先駆けとなった。興福寺中金堂再建に際し、15年間延べ30番の勧進能を奉納、日経能楽鑑賞会では、同じ曲を異流で演じるなど、能楽界に貢献した。
銕仙会所属。代々木果迢会同人。浅見真州の会を主宰。
観世寿夫記念法政大学能楽賞、芸術選奨文部科学大臣賞、日本芸術院賞などを受賞。紫綬褒章、旭日小綬章を受章。2018年にはフランス共和国芸術文化勲章シュヴァリエを受章。重要無形文化財総合指定保持者。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。 合掌