野上記念法政大学能楽研究所創立70周年記念 「危機と能楽 いかに受け止め乗り越えてきたか」展示とワークショップ、シンポジウム

今年、法政大学能楽研究所は創立70周年を迎える。同研究所は能楽研究家でもあり、法政大学総長だった野上豊一郎氏が文学部内に能楽研究室を設置したことから、野上氏の没後の1952年に「野上記念法政大学能楽研究所」として発足した。

野上氏旧蔵本をはじめ、室町時代から現代におよぶ写本、版本、絵画資料など能楽関係資料、約4万冊を所蔵する。

創立70周年を記念し、HOSEIミュージアムとの共催で、特別展「危機と能楽 いかに受け止め乗り越えてきたか」を開催。学内の4会場で、9月1日(木)から2023年1月31日(火)まで、長い歴史の中で自然災害や戦争、社会の変革と能楽がどのように向き合って乗り越えてきたのかを、さまざまな視点から検証する。各会場の展示内容、展示期間など詳しくはこちら
(※会場により会期や休館日が異なるので、ご注意ください)

また、9月19日(月・祝)には特別展示に合わせたシンポジウムが開催される。シンポジウム内では観世喜正師を招いた対談「コロナ禍の能楽」も予定されている。事前申込み不要、入場無料、先着90名。詳しくはこちら

9月16日(金)は、矢来能楽堂の能楽師を講師としたワークショップも開催される。こちらは要申込み。詳しくはこちら

70周年記念の特別展にあたり、能楽研究所所長の山中玲子氏にコメントをいただいた。
「今回は、研究所の所蔵資料をお見せする通常のスタイルの展示だけでなく、関東大震災や東京大空襲で焼失してしまった能楽堂の一覧や、震災後・戦後の復興の様子、また、コロナ禍と能楽界の対応を示すタイムラインなど、多様な切り口で『危機と能楽』というテーマに取り組もうとしています。初めての試みで不十分な点も多いと思いますが、ぜひ、多くの方に御覧いただければ幸いです。」