鵜澤久師が伝統文化ポーラ賞優秀賞を受賞

シテ方観世流の鵜澤久師が、令和6年度第44回伝統文化ポーラ賞優秀賞を受賞した。

師は、昭和24年、鵜澤 雅(観世流職分)の長女として生まれた。

3歳で初舞台、13歳で初シテを勤め、やがて希代の名手観世寿夫、八世(先代)観世銕之亟に師事し、現在まで能楽師の修業にひたすら精進してきた。また、恩師観世寿夫の演劇観に学ぶ新作能、現代演劇の舞台にも意欲的に出演して活動するだけでなく、北米・カナダ等の大学の招聘による公演・ワークショップを実施するなど、その幅広い活動は国内外で高く評価されている。

令和5年2月には、横浜能楽堂企画公演「能役者 鵜澤久」で老女物の大曲「卒都婆小町」を勤め、難曲を淡々と、かつ情熱的に表現し、観客を堪能させた。さらに同年10月には、「第23回鵜澤 久の会」(宝生能楽堂)において、能の秘曲とされる「姨捨(おばすて)」(三老女の一曲)を披曲(初演)し、存在感のある老女の深い演技は、人びとに大きな感動をもたらした。芸歴70年余、能役者のあるべき身体を探りながらの求道の精進が高く評価され、今回の受賞となった。