7月16日、観世能楽堂で渋沢栄一を主人公とする新作能、顕彰能「青淵」の完成記者会見が行われた。
昨年、新一万円札の顔となった渋沢栄一は、第一国立銀行を拠点に企業の創設・育成に力を入れ、生涯に約500もの企業に関わり、また約600の教育機関・社会公共事業の支援や民間外交に尽力した人物。その哲学は「論語と算盤」として、現代でも注目されている。
顕彰能「青淵」は、9月の観世能楽堂公演、10月の飛鳥山薪能公演が予定されている。監修:観世清和、狂言監修:野村萬斎、作:中村雅之、協力:小田幸子、節付:梅若紀彰、作調:亀井広忠。出演:観世三郎太(篤太郎・渋沢栄一)、山階彌右衛門(徳川慶喜)ほか(公演情報の詳細は下記参照)。

写真提供:飛鳥山薪能実行委員会/撮影:アレーズ恵比寿
完成記者会見では、シテの観世三郎太師のほか、樺山紘一(渋沢栄一翁・顕彰能「青淵」制作委員会委員長および渋沢栄一記念財団理事長)、中村雅之(「青淵」作者)、小田幸子(制作協力)、小島進(深谷市長)、山本泰人(中央区長)、やまだ加奈子(北区長)、井上潤(渋沢栄一記念財団理事)、葉山相也(北区体育協会会長)、越野充博(東京商工会議所北支部会長)の各氏が登壇。主催は各公演とも渋沢栄一翁・顕彰能「青淵」制作委員会 飛鳥山薪能実行委員会。

観世三郎太師は「能から離れないように気をつけながら、わかりやすくするための工夫を盛り込んだ。公演まで稽古と試演を繰り返して、皆様に満足していただけるものを作り上げたいと思っている」と公演に向けた意気込みを語った。
樺山紘一氏は「渋沢のかつての志がこの新作能で再現されることを祈り、また今後も全国の渋沢ゆかりの地で上演されることを願っている」と話した。
作者の中村雅之氏は制作にあたって、「静岡、飛鳥山、深谷など渋沢栄一にゆかりの土地を能の詞章に盛り込み、渋沢栄一と縁があるという思いを持ってもらいたい」との考えを示した。
観世能楽堂公演 2025年9月29日(月)18時開演
会場 観世能楽堂
鼎談 「現代社会と顕彰能」
観世清和(26世観世宗家)
三村明夫(日本製鉄株式会社名誉会長・東京商工会議所名誉会頭)
樺山紘一(渋沢栄一記念財団理事長)
新作能 渋沢栄一翁 顕彰能「青淵」
シテ :観世三郎太(篤太郎)
前ツレ :山階彌右衛門(徳川慶喜)
後ツレ :関根祥丸(悪鬼)
ワキ :福王和幸(朝臣)
オモアイ :石田幸雄(茶屋)
アドアイ :野村太一郎(女甲)
アドアイ :石田淡朗(女乙)
笛 :松田弘之
小鼓 :飯田清一
大鼓 :亀井広忠
太鼓 :林雄一郎
地謡 :梅若紀彰/山崎正道/角当直隆/角幸二郎
清水義也/谷本健吾/川口晃平/久田勘吉郎
後見 :武田尚浩/山中迓晶/坂口貴信
飛鳥山薪能公演 2025年10月30日(木)18時開演
会場 飛鳥山公園内野外舞台
解説 中村雅之
お祓い・火入れ式
狂言 「蚊相撲」
シテ:野村万作
アド:岡聡史
小アド:飯田豪
新作能 渋沢栄一翁 顕彰能「青淵」
シテ :観世三郎太(篤太郎)
前ツレ :山階彌右衛門(慶喜)
後ツレ :関根祥丸(悪鬼)
ワキ :福王和幸(朝臣)
オモアイ :石田幸雄(茶屋)
アドアイ :野村太一郎(女甲)
アドアイ :石田淡朗(女乙)
笛 :松田弘之
小鼓 :飯田清一
大鼓 :亀井広忠
太鼓 :林雄一郎
地謡 :梅若紀彰/山崎正道/角当直隆/角幸二郎
清水義也/谷本健吾/川口晃平/久田勘吉郎
後見 :武田尚浩/山中迓晶/坂口貴信
チケット料金(観世能楽堂・飛鳥山薪能両公演とも)
SS席:8,800円
S席 :6,600円
A席 :4,400円
B席 :3,300円
