日本芸術院は3月28日、優れた芸術活動を表彰する2022年度日本芸術院賞に能楽シテ方金剛流宗家の金剛永謹(こんごうひさのり)師ら9人を選んだ。金剛師には、特に業績が顕著として恩賜賞も贈られる。
授賞理由は以下のとおり。
金剛流二十五世宗家 金剛巌氏の長男として京都に生まれ、幼少より父の厳しき薫陶を受ける。平成10 年に宗家を継承。唯一関西を本拠地とする流儀として、「舞金剛」と稱される華麗で躍動感溢れる、また優美で雅やかな伝統を着実に体現すると共に、自己の品格ある豊かで大らかな芸風を確立。近年は特に廃曲を復曲する新しい試みに積極的に取り組み優れた成果を上げる。廃曲「薄(すすき)」を流儀の伝承を生かして復曲。他流の復曲と異なる新演出によって「重衡(しげひら)」を上演。また数々の海外公演においても、団長としてその責任を果たす。重責を担いつつ、その活躍は顕著、能楽の普及・興隆に寄与すること、その業績は誠に大である。