梅若紀彰師、日本芸術院賞を受賞

日本芸術院は4月15日、優れた芸術活動を表彰する令和6年度日本芸術院賞にシテ方観世流の梅若紀彰(うめわかきしょう)師ら10人を選んだ。

授賞理由は以下のとおり。

梅若紀彰氏は、祖父に五十五世梅若六郎、叔父に梅若実桜雪を持つという恵まれた立場に安住せず、修行時代より無私の心で一途に稽古、精進を重ねた。特に「山姥 雪月花之舞」では曲の主眼でもある雄大なスケールを描き出し、また「松風 見留」では緻密丁寧に幽玄の世界を格調高く作り上げた。梅若家当主・実桜雪の長期にわたる体調不良の現在、影の存在である地頭を勤めて一門をまとめる重責を果たしながら、たびたびの代演では「姨捨」等の大曲をも見事に演じて観客を感嘆させている。

【略歴】

師は1956年生まれ。前名は梅若晋矢(しんや)。1960年「鞍馬天狗」花見で初舞台。1998年に重要無形文化財保持者(総合認定)に。2010年梅若晋矢改め二世梅若紀彰を襲名する。