NHK FM放送〈FM能楽堂〉
木曜日 午前11時〜11時50分
8月7日
内容 | 演者 |
故人をしのんで | 山本順之 殿田謙吉 |
8月14日
内容 | 演者 |
故人をしのんで | 角寬次朗 大藏吉次郎 |
8月21日
内容 | 演者 |
関西の人間国宝の芸から 一調「八島」 狂言「盆山」 他 | 金剛永謹 茂山七五三 ほか |
8月28日
内容 | 演者 |
【再】 (観世流) 野宮 | 梅若紀彰 |
NHK Eテレ〈芸能きわみ堂〉
8月1日(金) 21:00~21:30
(再放送)翌金曜 13:10~13:40
野村万作「川上」×犬童一心 ~芸歴90年の至芸を映画化~
狂言師・野村万作、94歳。芸歴90年を超す、その芸は唯一無二のものである。その貴重な芸を映画化しようとするプロジェクトが数年前から立ち上がり、8月に公開される。
ドキュメンタリー映画として、万作が演じた作品は長年ライフワークとしてきた「川上」。夫婦の絆をリアルに描いた、「大らかな笑い」を主体にする狂言においては、珍しい人間ドラマの作品である。
監督は「のぼうの城」などで知られる犬童一心で、犬童は能狂言が大変好きということもあり、今回白羽の矢が立った。
番組では犬童監督をスタジオゲストに迎え、万作の芸を映画にすることについてのこだわりやテーマ性を語ってもらい、「川上」という作品と万作が長年どう向き合い、今どのような境地で演じているのかを見つめる。
●映画監督・犬童一心が見つめた、野村万作の芸のきわみ
「能舞台の揚幕を出てきただけで見ざるを得ないほどひきつける名人」と犬童は万作を評する。取り立てて派手な演技をするのではなくとも、観客の心に深く染み入る芸を きわめているのが万作だ。そ の万作の「川上」を余すところなく撮影するため、能楽堂を借り切り、テレビの劇場中継スタイルではない、クレーンカメラなどを用い、映画独自の手法で万作に肉薄した「映画」としての「芸とドラマ」を見て いく。
●狂言「川上」とは?
10年ほど前に盲目になった男が吉野・川上村の地蔵菩薩に目の回復祈願に出かける。菩薩のおかげで目は見えるようになるが、そのお告げは、現在の妻が悪縁ゆえ、目を安泰にするには妻と離縁せよとのことで あった。妻にそのことを告げる夫であったが、妻は別れることを頑なに拒否。夫婦は結局どういう結論に至ったのであろうか?地蔵菩薩のお告げか夫婦愛か、人間の根本に迫る狂言の名作である。
●野村万作、野村萬斎親子が語る、「川上」の魅力と狂言とは?
番組では、野村万作と野村萬斎に、それぞれインタビューを行い、万作には狂言「川上」を25歳から演じ70年近く経過した今、どのような心境で演じているのか、また映画完成の気持ちをうかがう。
息子の 萬斎には「川上」で相手役の妻をどのような女性として演じているのか、また父・万作の芸境について聞く。
<ゲスト>
犬童一心(映画監督)
<インタビュー出演>
野村万作(狂言師・文化勲章・人間国宝)
野村萬斎(狂言師)
<司会>
高橋英樹(俳優)
大久保佳代子(お笑い芸人)
コン平(三平泰丈 NHKアナウンサー)
8月22日(金) 21:00~21:30
(再放送)翌金曜 13:10~13:40
京都・祇園祭 能楽と生きる町(仮)
日本の夏を代表する祇園祭を軸に、京都と能楽が密接に関わっている様子をご紹介する。 祇園祭の華である山鉾のモチーフの多くが直接・間接に謡曲から取られ、祀られるご神体は能装束を着ている。その装束付けは町の人たちと関わりながらプロの能楽師が奉仕しているという。
また別名「鱧祭り」 とも呼ばれる祇園祭、夏の京都に欠かせない「鱧」を調理する老舗料理店の主人が仕事のために30年能を稽古する理由? 今回は大阪放送局の制作で、祇園祭の京都を通して能・狂言を「鑑賞するだけもの」だけでなく、「仕事や生活の中にいきづくもの」として紹介したい。
■京都と能楽の関わり
■祇園祭に観る能楽 …謡曲という切り口で祇園祭の山鉾を紹介
■プロの能楽師が奉仕するご神体の装束付けを取材!?
■京料理店三代目主人髙橋拓児が考える料理に通ずる「能」の基本と自由とは?
<ゲスト・演目出演>
澤田瞳子
(作家 「稚児桜 能楽ものがたり」など。大学で能楽部に所属。現在も笛と鼓を稽古する。京都在住)
<VTR出演>
高橋拓児(京料理店店主、京都在住)
<司会>
高橋英樹(俳優)、大久保佳代子(お笑い芸人)、三平泰丈(NHKアナウンサー・コン平の声)
NHK Eテレ
〈古典芸能への招待〉
8月31日(金) 21:00~21:30
能「巴」~金剛流 狂言「松脂」~大蔵流 関西の話題から
大阪放送局の制作で能・狂言の名作をお送りする。
能は、昨秋の叙勲で旭日双光章を受章した金剛流のベテラン・種田道一を シテに迎え、武将を主な題材とする“修羅物”の中で唯一女武者を主人公とする作品「巴」を。
狂言は、大蔵流の茂山千五郎家 総出演による、稀曲(上演が極めて珍しい曲)「松脂(まつやに)」をNHK独自収録。
他に、関西の人間国宝・金剛永謹によ る一調「八島」と、茂山七五三による狂言「盆山」も収録予定。能楽ライター石淵文恵による分かりやすい解説とともに、現在開催中の大阪・関西万博での「上方伝統芸能公演」などについても触れ、トピックスとしてご紹介する。
●能「巴(ともえ)」~金剛流~
木曽に住む僧(ワキ)が都に上る途中、琵琶湖のほとりの粟津に着くと、神前に参拝に来た若い女(前シテ)と出会う。女が涙を流しているのを不審に思った僧が理由を尋ね、木曽の者だと言うと、これは木曽義仲をまつった社であると教え、供養 を勧めて消え入る。夜になり、僧が経を読んで供養をしていると、女武者(後シテ)が現れる。巴御前の霊であることを明か すと、主君・義仲との合戦の日々や、義仲の死の前後について物語る。
【出演】
シテ・種田道一
ワキ・宝生欣哉(人間国宝)
笛・杉信太朗
小鼓・成田達志
大鼓・谷口正壽 ほか
●狂言「松脂(まつやに)」~大蔵流~
近所の人達が集まって「松囃子」をしていると、松脂の精が囃子に乗って現れる。近所の者が「弓道の会があるので”くすね”に練られて欲しい」と頼むと、松脂の精は囃子物のお礼にと、くすねに練られるという、近年あまり上演されていない稀曲。「くすね」とは松脂を油で煮て練り混ぜたもので、弓道では弦の補強材として使われる。松などの針葉樹は、冬の間も緑を保つことから神が宿ると考えられているが、そのめでたい“松の精”ではなく、“松脂の精”が出てくるところが狂言らしい演出。
【出演】
松脂の精・茂山千五郎
亭主・茂山茂
太郎冠者・茂山千之丞
町の衆・茂山宗彦 ほか
●狂言「盆山(ぼんさん)」~大蔵流~
盗人(シテ)が、世間で流行している盆山(“盆栽”のこと)をたくさん持つ人をうらやましく思い、盗みにやってくる。垣根を 破って忍び込んで探していると、家の亭主(アド)に見つけられてしまう。
【出演】
シテ・茂山七五三(人間国宝)
アド・茂山宗彦 ほか
●一調「八島(やしま)」~金剛流~
能「八島」の一部を、謡と楽器だけの特別な略式演奏“一調(いっちょう)”でご紹介 する。
【出演】
謡・金剛永謹(人間国宝)
小鼓・曽和鼓堂
※以上各演目は2025年7月10・11日京都・金剛能楽堂収録予定
●各演目のわかりやすい解説とともに、大阪・関西万博で世界に向けて能狂言の魅力を発信しているイベントなどをご紹介。 木曽義仲と巴ゆかりの義仲寺(滋賀・大津)で、ゲストとNHKアナによるMCを収録。お二人の対談による副音声解説も付する。
また、開催中の大阪・関西万博で上方の伝統芸能の魅力を世界に向けて発信するために行われている様々なイベントから、能狂言関連の催しの一部もご紹介する。
(観世流の人間国宝・大槻文藏による能「羽衣」ほか)
<解説と副音声>
石淵文恵(能楽ライター)
<ご案内>
NHK秋鹿真人アナウンサー
(NHKリリースより)
◎NHK放送予定のホームページ
http://www.nhk.or.jp/koten/program/
*日時・内容が変更になることがございます。
問合せ先:NHK視聴者コールセンター 0570-066-066