喜多能楽堂が改修を終え、新規開場へ

3月18日(火)、喜多能楽堂で「令和大改修竣工神事・竣工記念能」が開催され、あわせて関係者・報道各社に工事報告と内覧会が行われた。

外観正面には大きな窓が取り付けられ、館内踊り場の照明が見える

入口正面の外壁には大きな窓が設けられ、能楽堂内1階と2階のロビーにも広い窓から外光が入り、明るく眺望の良いロビーとなった。そのほか、見所やロビーの壁も白を貴重とした色に塗り替えられ、お手洗いはすべて洋式に変更されるなどの改修が施された。

今回の改修では耐震補強や防水などの安全対策のほか、大きな目的の一つは「見所環境の向上」。これまでは舞台の音が響かないと言われていたため、天井部分や壁の角度を変更することで、見所内の音響を調整したという。

竣工神事は下神明天祖神社の福岡三朗宮司により執り行われ、関係者の代表が玉串を捧げた。

会見では、近衞忠大(公益財団法人十四世六平太記念財団理事長)、金子敬一郎(喜多流能楽師。改修工事業務執行理事)、清水言一(喜多能楽堂館長)、照内創(株式会社SO&CO)、土橋悟(株式会社都市環境研究所)、外村和隆(株式会社Hokamura Design)の各氏が登壇。近衞氏は「能楽堂リニューアルにあたり、舞台にくわえてロビーなども様々な活用をしていただけるよう、より『開かれた能楽堂』にしてゆきたい」と述べた。

竣工記念能では、素謡「翁」(塩津哲生 佐々木多門)、半能「高砂」(長島茂、大日方寛、栗林祐輔、飯田清一、亀井広忠、大川典良)が演じられた。

3月30日には、喜多能楽堂令和大改修竣工祝賀能(「翁」香川靖嗣、狂言「末広」山本東次郎、仕舞「梅」観世清和、能「羽衣 舞込」友枝昭世 ほか)が行われる(なお、チケットは完売)。

喜多能楽堂は能舞台だけでなく建築物としての価値が認められ(設計・榛沢敏郎)、有形文化財への登録作業を進める予定だという。

そのほか、新装開場記念プログラムが予定されている。

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