能楽を専門とする大学の研究機関が、今年それぞれ節目の年にあたる。法政大学能楽研究所と武蔵野大学能楽資料センターである。
前半は、今年50周年を迎える武蔵野大学能楽資料センターを紹介する。
武蔵野大学能楽資料センターは、1972年、顧問に土岐善麿・古川久、運営委員に安藤常次郎・増田正造・小林責という布陣で開設された。
主に近現代の能・狂言に関する文献を収集し、研究調査を行っている。なかでも、能会・狂言会のプログラムやパンフレットの収集は公演記録として貴重な資料といえる。
また、学生・一般を対象とした公開講座や、1年に一度開催している狂言鑑賞会は、近隣地域だけでなく遠方から足を運ぶ聴講者もいるほどの人気である。
50周年記念の今年は、『源氏物語』と日本文化をテーマにした集中講座(9月7日・9月8日)と、人間国宝の能楽師(友枝昭世・三島元太郎・大倉源次郎・山本東次郎)にお話をうかがう特別講座(9月2日・9月6日・10月6日)を開催。申込み制で締切は8月18日(木)15時。講師や内容など詳しくはこちら。
50周年記念企画にあたり、センター長の三浦裕子氏にコメントをいただいた。
「集中講座は、能〈源氏供養〉を軸に、日本の芸能・文学・文化を横断しようと思い企画しました。各方面の講師と実演家を大勢お招きして、10のテーマに関する講演をして頂きます(実演が中心のテーマもあります)。こちらが、能楽の枠を超えた講座であるとすれば、特別講座は、人間国宝の能楽師4名をお招きして、それぞれの能楽人生の来し方行く末を語って頂くという、能楽に特化した講座。両方とも大変に充実した魅力的な講座になると思います。聴講無料ですが、勝手ながらコロナ禍対策のため、要事前申込/抽選・座席指定とさせて頂きました。能楽マガジンNoh+ をご覧になった方のくじ運の強いことを祈っています。ぜひご応募下さい。どうぞよろしくお願いします。」