根津美術館企画展 「繍と織 華麗なる日本染織の世界」開催中

東京・南青山の根津美術館では、企画展「繍と織 華麗なる日本染織の世界」が開催中(展示室1・2)である。

根津美術館のコレクションの礎を築いた根津嘉一郎(1860~1940)が約30年にわたって蒐集した染織品は、400点あまりに及ぶという。本展では、この中から、特に織と刺繍の技が光る優品を上代染織、仏教染織、能装束、小袖の4つのセクションにわけて展示する。

上代染織は、法隆寺や東大寺正倉院伝来の上代裂で、飛鳥~奈良時代のものだが、鮮やかな色彩が残っていることに驚かされる。仏教染織は、袈裟、打敷など仏具として用いられたもの。小袖では、白・紅・黒の三色の地に同じ模様を施した婚礼衣装と思われる振り袖などが目をひく。

能装束は、唐織3領、着付2領、厚板唐織1領、縫箔1領、舞衣1領、摺箔1領が展示され、見ごたえがある。今回初公開となる「着付 紅地鱗向い鳥丸模様」(桃山~江戸時代)は、織のように見える、鱗文、向い鳥丸文とも、渡し繍という刺繍で表されたもの。

着付 紅地鱗向い鳥丸模様
日本・桃山~江戸時代 17世紀 根津美術館蔵

また、ミュージアムショップで販売されている根津美術館新蔵品選(12分冊予定)の6冊目『染織・能面』は、本展示の33点が掲載されているので、図録としても最適(表紙は「唐織 紅薄縹段鉄線唐草模様」)。 

根津美術館新蔵品選『染織・能面』

なお企画展以外では、展示室3「仏教美術の魅力─平安時代後期の仏像─」、展示室4「古代中国の青銅器」、展示室5「中国の故事と人物」、展示室6「寿茶会─来福を願う─」が同時開催されている。

会期:開催中~1月28日(日)まで

休館日:月曜休館(ただし1/8は開館、翌日休館。年末年始12/25~1/4休館)

開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)

入館料:一般1,300円、学生1,000円、中学生以下無料 ※日時指定予約制

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