3月24日、国立能楽堂で第39回第11期 能楽(三役)研修 研修修了発表会 青翔会が行われ、令和2年(2020年)より研修を始めた第11期能楽(三役)研修生、ワキ方宝生流の渡部葵さん、笛方森田流の鈴木麻里さん、狂言方大蔵流の木村直樹さんの3名が研修課程の全課程を修了した。
青翔会では、渡部葵さんと鈴木麻里さんが能「石橋 大獅子」(シテ角幸二郎)に、木村直樹さんが「末広かり」のシテ果報者役に出演、満員の観客の前で、研修生として最後の舞台を披露した。
以下、修了にあたりそれぞれにコメントをいただいた。
【渡部 葵(わたべ・あおい)】
いつになるのかと思っていた修了を迎えて、いつかは立てるのかなと思っていた能の舞台でワキをさせていただいていました。密かに素敵な慣習と思っていた「おめでとう」という言葉を終演後に頂戴し、これまで研修生活で頂いてきたご恩に対して、これからの自分がお返しに出来ることがあるのだろうかと考えさせられました。いつかは感謝を形で示せるように、真摯に今やるべきことに向き合っていきます。今後ともご指導ご叱正を賜りますようお願い申し上げます。

(2026年3月24日 青翔会/国立能楽堂)
【鈴木麻里(すずき・まり)】
修了後4月より拠点を京都に移し、改めて笛方として修業いたします。京都と東京とでは文化や景観のほか、能の芸風においても雰囲気が異なります。師匠が芸を築いてきた環境と同じ空気を、身を以て体感できることに魅力を感じ、自ら移籍を希望しました。初めて地元の東京を離れるので色々と分からないことも多いですが、何事も一から学びなおす気持ちで吸収したいと思います。

(2026年3月24日 青翔会/国立能楽堂)
【木村直樹(きむら・なおき)】
この6年間の研修期間、決して良いことばかりではなく、苦しい時期もありました。しかし、そんな時に支えてくださり、『帰る場所』を守って待っていてくださった周囲の方々のおかげで、無事に修了の日を迎え、今の自分があるのだと痛感しています。感謝の念に堪えません。私は人を笑顔にすることが大好きです。狂言を通して皆様に笑っていただき、笑顔の輪を広げられることに、この上ない幸せを感じます。これからはプロの能楽師として、これまで以上に厳しい道が待っているはずです。その責任を重く受け止め、舞台で出会う方々、作品、そして一つ一つの『縁』を大切に、芸に真摯に向き合いながら日々精進してまいります。

(2026年3月24日 青翔会/国立能楽堂)
なお、2023年に研修中の第11期生に取材した記事はこちら
3名は6年の研修期間を経て、ようやく一人の能楽師として羽ばたいていく。今後の活躍を期待したい。